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企業・団体の取得対応

企業や団体がISO認証取得することでどういったメリットが発生してくるのでしょうか。ISO取得に関しての対応しなければいけないこと、注意点などを詳しく解説してみましょう。

審査員評価登録について

日本には、JABが認定した審査員評価登録機関の評価を受けて合格し、審査員として登録してもらう制度があります。
審査員評価登録制度では評価を受けるときの条件として、JABが認定した研修を受け、研修コースを修了している必要があります。
ISO14001の審査員評価登録機関は一つだけですが、研修期間は複数存在します。
審査員評価登録の評価の基準はISO19011をベースとしています。
審査員評価登録機関として産業環境管理協会内の環境マネジメントシステム審査員評価登録センターが評価登録制度を行っており現在10000人以上が登録しています。

審査員には主任審査員、審査員、審査員補の3種類があります。
ただし、審査員評価登録機関に登録されたからといって、すぐ審査チームに入れるわけではなく審査登録機関と何らかの契約を別途に結ぶ必要があります。
審査員補については正式な審査員としての活動は認められず審査経験を積むことのみを目的に実際の審査チームに入ることが認められます。
ISO14001の知識を有する人や、実際にISO14001審査の経験を有する人が審査員として認められ、さらに審査チームのリーダーとしての経験を積んだ人が主任審査員として認められます。

実際の審査は、審査対象の組織にあわせ現地に赴く審査員の数や審査日数が決められます。
審査は通常、審査に値するだけの準備にしっかり入っているかどうかの視点から始まります。
しっかりと準備が整っていれば次の審査にうつります。
審査では、ISO14001の要求事項にあったルールが作られ、かつ実行されているかどうかが調べられます。
作業としましてはルール記載のチェック、現地査察及び関係者へのヒアリングがあります。


認定制度、認定機関、審査登録機関

ISO9001による審査登録が始まると、次々に審査登録機関が現れました。
しかし、審査登録機関のそれぞれが必ず同じようなレベル、内容で審査するとは限らないため、それらの内容をチェックする必要性が生じました。
その結果、審査登録機関の能力をチェックする認定という制度が導入されました。
認定するに当たり、認定機関が審査登録機関を審査するための基準が設けられました。
その基準はISOのCASCOで作っている規格がベースになっています。


認定機関は各国にそれぞれ一つずつあります。
日本ではJAB((財)日本適合性認定委員会)が国内の多くの審査登録機関を認定しています。
しかし、イギリスの認定機関(UKAS)やオランダの認定機関(RvA)に認定された審査登録機関もあります。
認定機関が審査登録機関を審査するための基準はCASCOの規格がベースになっています。
なお、供給者による自己適合宣言のための規格(ISO/IEC1750の第1部:一般要求事項及び第2部:支援文書)もあります。


マネジメントレビューについて

監視及び測定ならびに監査の結果、さらに組織内外の様々な状況変化を考慮して、その組織のトップに立つ人、つまりトップマネジメントが環境マネジメントシステムの機能の具合を確認し、必要な場合にはシステムの変更が行われます。
このことをマネジメントレビューと呼びます。
認証のための審査への対応例としましては、監視及び測定ならびに監査の結果を報告し、活動の見直しを行う会議の開催についてルール化することが挙げられると考えられます。


内部監査について

マネジメントシステムの監査は必ず監査基準と言うものを用いて行います。
監査基準はISO14001に書かれた要求事項や、組織がやると決めたことであり、実際の活動がそのやると決めたことを守っているかを判定するのが監査です。
監査したり、監査されたりということに慣れていない組織は、実際に監査経験を積むことが大事であると考えられます。
認証のための審査の対応例としては、環境監査に関するルールを定めます。
そのルールには、組織が環境監査を行うことを示すものと、環境監査を示すものがあると考えられます。


記録の管理について考慮すること

使いやすさや、保存のことを考慮して、環境に関する記録についての手順をつくっていきます。
認証への審査の対応例として、記録の管理責任者を定めます。
確認、維持及び破棄の対象となる記録としては、環境マネジメントシステムの実施に必要な記録及び環境目的・目標をどの程度達成したかというのがわかるようなものを対象とします。
対象となるものは次のようなものがあげられます。
苦情記録。
教育訓練の記録。
プロセスの管理記録。
検査、保守及び管理記録。
請負者及び供給者に関する記録。
発生した事態に関する報告書。
緊急事態に備えたテストの記録。
監査結果。
マネジメントレビューの結果。
外部コミュニケーションに関する決定。
適用されうる法的要求事項の記録。
著しい環境側面の記録。
環境に関する会議の記録。
環境パフォーマンス情報。
法遵守の記録。
利害関係者とのコミュニケーションに関する記録。


緊急事態への準備や対応

事故などの緊急事態には、往々にして環境に対する影響が出ることがあります。
組織はそこで、緊急時において環境に対する悪い影響を少なくすることを前提として計画し実行します。
もし、現実に緊急事態や、事故が起きてしまった場合には、組織は環境に対して悪い影響が出ないように防ぐことが必要であると考えられます。
認証のための審査への対応例としましては、緊急時のための連絡体制と責任者を定め、関係者にその定めた内容をしっかり知らせておくことと対応手順をルール化し各責任者に教育訓練を計画し実行できるように備えます。
またその際、各責任者には必要な知識をしっかり与えるようにします。


文書の作成と文書管理

環境マネジメントシステムに関係のある文書や記録がどこにあるのかがわかるようになっていると言うことです。
また、各文書が関係者に間違って使われることがないよう、最新版を作っておくようにしたり、古いものは処分できるようにしたりする手順をつくり実行します。
認証のための審査の対応例としましては、環境管理活動に関わる手順、技術標準、作業標準、その他規定類の作成・改定手順、ならびに文書配布及び保管のルールを定めるようにしています。

マネジメントシステムを構築する際、多くの時間を費やすのが文書の作成です。
審査を受ける際に参照されるのはもちろんのこと、その後も一度作られた文書を引き続き、定期的に見直すことになりますので、その文書の管理の仕方が大変重要になります。
文書の管理が上手にできていないと、肝心の中身の検討に割くべき時間が、単に文書の修正のために使われてしまうことになります。
文書や文書管理については大変重要な事項です、しっかり心がけて行う必要があると考えましょう。

著しい環境側面に関する活動に手順を定めて、組織は環境側面に沿ったかたちで実行します。
著しい環境側面に直接関わってくるような場合には、役務の請負や原料・資材の供給をしてくれる外部の組織にも環境管理上で組織が守ろうとしている内容を伝えます。
認証のための審査への対応例としましては「著しい環境側面」ごとに環境目的や環境目標を達成するための手順を決定します。
その手順には関係する物品や作業委託先にかかわる管理手順も含めます。


環境マニュアルを作る

組織の環境マネジメントシステムがその組織のどの範囲のどの活動を含んでいて、それがどのようになっているのかがわかるものを環境マネジメントシステムの文書としてつくることと、その文書を見ることによって関係する文書や記録がどこにあるのかがわかるようになっていることを求めています。
要求事項の中ではマニュアルを書くことを求めてませんが、システムを作る際の関係者への説明や、関係者が変わったときの引継ぎの説明の際に便利なので、実際には環境説明の形にまとめていることが多いと考えられます。


力量、教育訓練についての対応

組織の中で働く人たちそれぞれについて、環境管理業務上、必要な能力や知識が何かを調べます。
また、その人たちの仕事がどのように環境に影響を与えるのか、あるいは与え得るかを調べます。
以上の結果をもとに教育・訓練を行います。
また、業務内容によっては資格などが必要な場合があるので、その場合には資格取得者を配置します。
認証のための対応例としましては、環境マネジメントシステムに関わる従業員や下請けの一人一人対象にして、教育訓練を実施します。
事故等の非常時についても作業訓練を実施します。


責任の明確化

組織の中で分担して環境管理を行うためには、責任分担をはっきりさせておくことが大切です。
また、環境マネジメントシステムに関する責任は、勿論トップにたつ人が負うものですが、実際の作業などを考えた場合には、他の人が指揮や管理をしたほうがよい場合もあると考えられます。
その場合には組織のトップは責任権限の委譲ということを行います。
認証のための審査の対応としましては、役職ごとに環境マネジメントシステムに関する役割、責任及び権限を決めてそれらを文書などにします。
また、環境マネジメントシステムの責任者を決めて、経営トップが任命します。


環境目的・目標の設定

環境方針、著しい環境側面、法規制などその他の要求事項も保って、さらに組織内外の関係者の関心やその組織の事業計画・事業戦略を加味して、環境管理に関する「環境目的」を策定します。
それをさらに詳しく、例えば省エネ目標や廃棄物削減のようなものについて数値目標まで入れたものを「環境目標」として策定します。
また、認証のための審査として、環境目標などの確認を行う責任者や会議の開催についてルール化したりします。
その際、組織によっては各部署ごとの責任者や会議の開催についてルール化する必要もあります。



審査への対応例(実施計画)
認証のための審査への対応例としては、環境管理計画書のようなものを作成する責任者や会議の開催をルール化します。
その際、組織によっては各部署ごとに責任者や会議の開催を行うようにします。
環境管理計画書には、環境目標達成のための方策(組織、実行体制など)責任者及びスケジュールを記載するようにします。
環境管理計画書の作成、改定の責任者名または、改定日も記載した方が管理しやすいと考えられます。


関連情報の収集

環境管理に関しては、日本においては法律による規制が進められました。
法律の遵守は組織においてとても重要なことですので、環境に関する法律をしっかり調べておくことが非常に重要です。
関係のありそうな法律や、地方自治体が出している条例の内容を調べるとともに、それらが改定になった場合を考えて担当を決め、情報を手に入れる方法を考えるのが大切です。
法律などの規制に関することに加え、環境に関して業界で取り決めたことに対して組織が従うことを約束していたり、契約など環境に関することで商売上の約束で決めていたりすることがある場合には、それらも忘れずにリストアップして忘れないようにすることが大切です。

認証のための審査への対応としまして、環境管理に関わる法律、条例、通達、ガイドライン、公害防止協定及び規格の要求事項の内容を確認するとともにこの確認作業をルール化し、さらに環境管理活動に反映するための責任者や会議を定めて活動の結果を記録するようにします。
また、入手した法律などの文書及び上記の記録の保管場所などを定めて、以上のルールを文書などに記して管理できるようにします。


環境側面の選出

組織の活動の色々なところで環境との関わりがあります、その関わりを確認していきます。
具体的に活動内容のどの部分が環境に関わってくるかは、法規制などの内容を確認したり、環境管理や環境マネジメントシステムに関する資料を確認したり、あるいは、他の組織で行われていることを参考にするのがよいと思われます。
さらに、組織が利用したり提供したりなどする物品やサービスについても考慮するのが良いでしょう。

環境側面の選出で注意したいことは、組織の活動と環境の関係をリストアップする際、環境に関する環境の表現は、環境基準に関わる表現(例えば窒素酸化物の増減など)や資源の利用など、活動に関係する値を直接調べたりすることのできるものを使うことが多いことです。
健康被害や経済への影響と言う表現は、それらの因果関係の確かさが不明なことがあるため使われていないようです。

リストアップした対象の中から、環境に与える影響を考慮して環境管理の実際の対象として扱うものを選ぶ作業をしますが、その時、選び出す理由をはっきりさせておくようにすると判断にばらつきがなくなることが期待できると考えられます。
このようにして環境側面の中から選び出されたものを「著しい環境側面」と言います。
この著しい環境側面の特定はリスクアセスメントと呼ばれるプロセスに似た大事な作業を行うところで、工夫次第で環境以外のものも含め管理の対象を広げることが期待できます。


自己適合宣言について

自己適合宣言とは組織が第三者によって審査を受けること無しに自らの責任を示して製品、活動、サービスが規格などの基準の要求事項を満たしていると外部に公表することです。
製品についての自己適合宣言の例では宣言書を作成します。
①自己適合宣言する法人の名称及び所在地②製品の一般名称と製品名③基準への適合の表明④対象とした基準文書⑤宣言した日時と場所⑥自己適合宣言に関する責任者名。



環境マネジメントシステムの要求事項
ISO14001では組織に環境マネジメントシステムの仕組みがあって、それが機能しているかどうかをチェック項目として、要求事項を17項目に分類して規定しています。
ISO14001に書かれた要求事項を満たす環境マネジメントシステムを作る場合を想定しながら、規格に書かれた要求事項を説明します。
しかし、実際に認証を受ける場合には、組織の規模や業種によって準備の内容やシステムに導入する内容が異なってきますので基礎的・共通的な内容しか説明できません。

組織が自分達の活動の中で環境管理にどういう姿勢で臨み、組織内部の人たちや外部の人たちに何を知ってもらいたいかを書いたものが環境方針です。
特に、環境汚染の予防に努めることと、環境に関する規制を守ることを示す必要があります。
組織の人たちには、この環境方針を知ってもらうようにしなければなりません。
また外部の人たちにも知ってもらえるように例えば環境方針を書いた印刷物やインターネットのホームページに掲載したりします。

環境方針を実際に作るときには、おそらく組織として自分の事業活動全体を見回し、環境に関する活動が、どこに含まれているか、その活動が環境マネジメントシステムの中に入っているかと言うことを知っておく必要があるでしょう。
さらに、組織が理念あるいは事業方針をどのように掲げているかも考慮したほうがよいと考えられます。
ここで、環境管理がどのように事業活動に影響を与えるのか、どのような価値を生み出すのかということを併せて考えておくと環境マネジメントシステムが作りやすいと考えられます。


規格の内容(序文)

序文には
①環境問題への対応の重要性
②組織の環境パフォーマンスが将来も継続するよう活動はマネジメントシステムの中で行う必要性があると言うこと
③環境マネジメントシステムの成功は、最高経営層を含む組織の各層、各部門のコミットメントが重要であること
④規格は経済的な状況とのバランスの上で環境保全がなされると言うこと
⑤自らの組織活動において環境問題に取り組んでいる姿勢を関係者に知ってもらいたいと思っている企業などの組織があるということ
⑥環境に取り組んでいる姿勢を示すために規格は、第三者認証の基準となり、組織自らが自己適合宣言できるよう基準を要求事項として与えていること
・・・を記載しています。


監査について

監査はおそらく一番なじみの無いことであると考えられます。
なんだか悪いことをしたわけでもないのに、怒られるような気がしてしまいます。
しかし、ここではそうではなく、決めたことが行われているかどうかを客観的に確認していく作業のことを意味しています。
特に、管理者の方々にとっては組織の中でしっかりと要求したとおりに仕事をやっているのか、もし行われていないのであれば、何故そうしないのか、なぜできないのか、原因や理由を知ることが可能になり、仕事のやり方を工夫するチャンスが生まれる場となります。



審査への対応例
認証のための審査への対応例としては文書として作成され、最高経営層が定めた事を示す署名や印をつけた環境方針を持つことと、その作成に関する手続きや手続きんお責任に関するルールを決めておいたりします。
ルールは多くの場合、マニュアルや手順書と呼ばれる文書にして、審査を受ける場合に提示しないようを確認してもらえるようにしています。
また、文書の管理方法も決めておきます。


ISO14001の規格構成について

ISO14001の規格は審査を受ける際に使われる基準を規定していますので規定文は要求事項となっています。
ISO14001の要求事項は方針の策定の後、計画-実施・運用-点検-マネジメントレビューからなる、管理の基本的考えとして使われるP-D-C-A(plan-do-check-act)を意識した構成になっています。
この構成を基礎として、環境管理を行う仕組みについて必要とされることが記載されています。

環境方針は、目の前で達成すべき目的、目標の違い、その組織が目指すことなど、組織の活動の基本的な姿勢を記しています。
文書及び文書管理は、組織の活動が関係者に知られると共に、現在行っている活動を継続させるために行うものです。
仕事の役割やその分担、仕事の手順の作成、さらには記録やデータの保管まで、以上のことやそのほかの事まで管理のことを文書に記載することとなると考えられます。


ISOに対する対応

ISOが環境に関するマネジメントシステム規格の検討を開始した時、産業関係者の中には環境管理に対する認証というアイディアについて不安や戸惑いがありました。
それは、長年にわたり規制対応や地域住民への対応を中心に行われてきた環境管理の仕組みについて、部外者である第三者でによる監査がどのように評価し、結果がどのように役に立つのかが不明であったからであると考えられます。

ISO9001の規格検討の際、産業界では対応が遅れてしまったとの反省があり、規格検討状況について意見交換をする委員会を設置したり、アメリカから専門家を呼び規格への対応状況などに関する講演会を開催したりなど活発な対応を行いました。
ISO/TC207による規格検討への国内対応は環境管理規格審議委員会を設置して行いました。
この委員会の設置により様々な視点から意見交換を行っていくようになりました。